2008年4月3日木曜日

文学部HP

文学部HP原稿をごらんください。

フランス語フランス文学専攻

 「世界でいちばん好きな国はフランスです。でも、世界でいちばん嫌いな人はフランス人です。」ということばをよく聞きます。これは、後半のことを言いたいときに使われる表現でしょうが、よく考えてみると、フランス人と世界の他の国々の人々との関係をよくあらわしています。面倒なところがあるが、どうしてもつきあわなければならない、この愛すべき人たちと、本気になって議論してみませんか。

高橋秀雄

 大学に入ってフランス語を学びはじめたときモーパッサンの短編小説の文章に魅了されて、フランス語学、フランス文体論を専攻するようになりました。外国語を学ぶことが好きで、イタリア語も学んでいます。外国語を学んで、日本語の美しさ、日本文学の偉大さに気づかされました。また、留学したとき、ワインのおいしさが多少わかるようになって、はじめて日本のお酒のすばらしさに目を開かれました。

2008年3月24日月曜日

模擬授業

 三好高校での模擬授業の際に配布した資料をご紹介します。

愛知県立三好高等学校「2年生対象模擬講義(文学部)」
担当: 高橋 秀雄(愛知大学文学部教授)
2008年3月14日(金) 10:30~12:00

1.「人文」について
 Humanities ( humanityの複数)<(フランス語)humanitesユ・マ・ニ・テ

 ( 辞書Le Petit Robertル・プ・ティ・ろ・ベる の説明の一部 )
 humanites :
 16世紀はじめに初出。古典ラテン語humanitasフマニタース「教養、文化」のこと。ギリシア、ラテンの言語、文学のこと。(用例)「ギリシア・ラテンのフマニタースの研究」

 16世紀にはまだ、ちゃんとした文学言語(書き言葉、文書における言語)が成立していなかった。人々は、自分たちの日常言語(イタリア語、フランス語、英語、ドイツ語、等)を文学言語に育て上げるために、ギリシア、ローマの言語・文化を学んだ。
 わたしたちが現在使用している日本語、英語、フランス語などは、立派な文学言語でもある。わたしたちは文学言語を生まれたときからすでに所有しているために、このことを忘れがちである。
 説明のために日常言語と文学言語を分けたが、現実には、言語はそれほど明確には分けられない。言語を使う状況を考えてみると、私たちはほとんどの時間、なかば無意識的に言語を使っている。しかし、議論し、考え、話し、書くときには、きわめて意識的に言語を使うこともある。今日でも、いや今日こそ、メッセージを正確に伝えるために、考えを深めるために、言語を磨く必要がある。
 
2.なぜ学ぶのか
・ 自分の弱さに打ち勝つため
・ 人間が弱い、惨めな存在であることを知るため
・ 人間が自由な存在であることを知るため

   「自由」とは何か?
    Fais ce que voudras. (Do what you will want.)
       フェス・ ク・  ヴー・ドら
       「欲することをなせ」
     Francois Rabelais (v.1483-1553), Gargantua, 1534.
       フランソワ・ラブレー『ガルガンチュア物語』
     (主人公ガルガンチュアが学校をつくったときに定めた唯一の規則。)

・ 自分以外の人に関心をもつ。
・ 自分に勝つ(個性があるのではない、個性を作り上げるのだ。)

3.何を学ぶのか
 どんな専門に向かうにも、つぎの2つのことが重要である。
  1)「友」をつくる
     「友」とは何か?
魅力的な隣人との出会い
       本(世界中の、過去の、魅力的な人々との出会い)
       自分との出会い

 2)外国語を学ぶ
    なによりもまず、言語を磨く一環として

4.本という「友」との交際
 どのように本とつきあうか。
 いかなるコミュニケーションでも、忍耐が必要。

 (事例)読書感想文。
アルベール・カミュ(1913-1960)『異邦人』(1942)
  主人公ムルソーはどのような生活をしているか
  ムルソーが体験する事件は何か
  あなたの印象に残った事件・場面は何か

5.外国語学習について
 なぜ学ぶのか、どのように学ぶのか、ではなく、まず、何を学ぶのか、外国語を学ぶとは何をすることなのか、を考えよう。
 わたしたちは、自分とは異なる歴史、文化をもち、異なる自然的、社会的環境のなかで暮らす人々とのコミュニケーションを目指している。こうした歴史、文化、生活を最も忠実に反映したものが言語である。外国語を学ぶとは、単にそうした人々の言語のメカニズムを知識として身につけるだけではなく、歴史、文化、生活を異にする人々の言語を人々の立場に立ってつねに受け入れ、使うことだ。
 外国語をつねに使うとは何か、を考えよう。

   A.「話す」/「聞く」
   B.「読む」/「書く」
     (A, Bいずれも大事だが、究極的に主になるのは、B .)

 学習の3原則:
   Motivation  やる気
Repetition  反復
Reflection  反省

6.文学部、人文学部(人文学科)
 対象: 人間を研究すること。
(なかなか解決できない、しかし、つねに緊急のテーマ。)
 方法: 歴史的方法
       テクストを正確に読む(分析、総合)
       議論、対話をくりかえす
       口頭、文書で表現する

2007年4月10日火曜日

テクストについて

2007年4月10日(火)2限 65Hゼミ室
 文学部「演習」、今年度の最初の授業。4年生以上の学生6名が出席。
 この授業のテーマ「テクストを読む テクストを書く」について説明。
 テクストにはかならず、それを作った人のメッセージがある。テクストを読むとは、そのメッセージを受け取ろうとすること。その意味では、テクストは文字でつづられたものとは限らない。映画、絵画、写真なども、テクストと見ることができる。自分が論じた文も、これをテクストとして読むことができる。
 次回より、具体的に、さまざまのテクストを読む。また、春学期にそれぞれ1回ずつ発表してもらう。

2007年4月3日火曜日

新学期を迎えて

 2007年4月6日 4月3日、入学式。午前中、草間町のアイプラザで開かれた入学式のあと、新入生たちは豊橋校舎に戻る。午後1時20分から、351大教室で恒例の文学部説明会が開かれた。文学部の新入生と教員たちがはじめて顔を合わせる機会である。教壇にはたくさんの椅子が並べられ、教員がそこに坐って380名ほどの新入生と向き合う。交野文学部長の全体的説明のあと、14専攻(東洋哲学、西洋哲学、心理学、図書館情報学、社会学、行動社会学、日本史学、アジア史学、地理学、日本語日本文学、中国語中国文学、英語圏文学、ドイツ語ドイツ文学、フランス語フランス文学)の担当者が1専攻3分ずつ、自らの専攻の説明を行う。専攻が14あるというのは、かなり充実しているといえるだろう。そのすべての専攻がそれぞれ3分間で自分たちの研究分野のエッセンスを語るのだから、まことに壮観であり、興味深く聞いた。フランス語フランス文学専攻は、今年は、中尾充良先生が担当した。 4月5日、午後1時より1時間、新2年生のガイダンスが開かれた。フランス語フランス文学専攻を選択した11名の学生にはじめて会う。3,4年生にも参加するよう呼びかけたのだが、通知が遅れたためか、参加したのは6名だけだった。